月別アーカイブ: 2008年7月

第422回市民医学講座

2008.5.15.JPG

 

 

 国立病院機構仙台医療センター
 救命救急副センター長  山田 康雄 先生

とき:平成20年5月15日. 午後1時30分
ところ:仙台市医師会館2階ホール

 

 

救急の現場からみたあんな病気 こんな病気

 救急の現場からみたさまざまな病気というテーマを頂きましたが、今回は重篤な病態の順に1)心肺停止2)呼吸障害、ショック、意識障害3)頭痛、胸痛、腹痛4)「立てない、力が入らない」という状況についてお話ししたいと思います。各論に入る前に、どんな病態でもまず、A(Airway;気道)、B(breathing;呼吸)、C(Circulation;循環)をきちんと保つことが大前提として重要であることを強調したいと思います。人間が生きるためには、細胞の一つひとつに酸素を届けることが必要です。そのためには、A-B-Cの問題をしっかり解決することを忘れてはなりません。

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仙台市医師会報2008.7 No.529より

大豊神社
哲学の道を南禅寺から銀閣寺に向かって北に進むと、観光地としてはさほど有名ではない「大豊(おおとよ)神社」があります。義父の名字と名前の一字をつなぐと「大豊」になるため、親近感からどうしても訪ねてみたくなり、桜の季節に行ってみました。この神社は東山三十六峰の一つ「椿ヶ峰」の山麓にあり、生い茂る木々によって作られる適度な日陰が「椿」の生育に適し、神社の境内には安達(あだち)、侘助(わびすけ)、黒椿(くろつばき)等、多種類の椿が初冬から初夏にかけて長期にわたり花をつけます。

この大豊神社は、平安中期の仁和3年(887年)、宇多天皇の病気平癒祈願のために、勅命を奉じ、医薬祖神の少彦名命(すくなひこなのみこと)を奉祀し創建されました。その後、学問の菅原道真公、勝運の応神天皇、七福の大国主命が合わせて祀られました。大国社には「古事記」の中に野火の危機から鼠が救った神話に基づく「狛鼠」が入り口にあり、「ねずみの社」として大豊神社のシンボルとなっています。社殿奥の右手に愛らしいねずみが2匹、ちょこんと座っています。右の鼠は酒の入った珠を抱え、長寿を表し、左の鼠は知識の象徴として巻物を持っています。さらに周りには狛鳶や狛猿などが祀られており、今風のアニマルキャラクターの寄り合い所のような雰囲気があります。御神徳として、医薬祖神による治病健康、福徳長寿、学業成就などがあり、まさに医師の氏神のようにも思われます。

医薬の神様に会いに立ち寄る社として、絶好の神社と思います。京都での学会の際に、時間がありましたら、お訪ねになってはいかがでしょうか。

山口克宏

「はしか」の予防接種のお知らせ

仙台市医師会から「はしか」の予防接種のお知らせです。

今年の4月から、中学1年生と高校3年生の年齢の人たちを対象とした「はしか」の予防接種が行われています。

これは、去年、若者たちの間で「はしか」が大流行したことから「はしか」の予防接種を1回しか受けておらず、免疫力が弱くなっている、中学1年生と高校3年生相当の年齢の人たちを対象に行われているものです。

「はしか」は春から夏にかけて流行します。夏休み中にぜひ「はしか」の予防接種を受けることをお勧めします。

この予防接種は、今年度から5年間継続され、予防接種にかかる費用はすべて公費で負担されます。詳しいことは、お住まいの市町村の保健担当課か仙台市医師会にお問い合わせください。

詳しくは下記の仙台市のお知らせをご参照ください。

 

中学1年・高校3年の方はこちら  

 http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/houdou/07/080317kenshin.html

 

未就学児の方はこちら  


http://www.city.sendai.jp/kenkou/hokeniryou/yobou/mashinfushin.html

 

ポスター

第425回市民医学講座のご案内

日 時  平成20年8月21日(木)午後1時30分
会 場  仙台市急患センター・仙台市医師会館2階ホール  

入場は無料です。

 

肝細胞がんのテーラーメイド治療

 講 師  
国立病院機構仙台医療センター

総合内科部長兼消化器科医長

千田 信之 先生
 
問い合わせ先  仙台市医師会 TEL(227)1531

交通アクセス  地下鉄河原町駅下車、北出口より徒歩1分
※仙台市医師会館周辺簡易マップはこちらをご覧下さい。

主 催  仙台市・仙台市医師会・仙台市医療センター
      仙台市救急医療事業団

市民医学講座は毎月1回開催。

毎回録画し、翌月ケーブルテレビ(キャベツ、CAT-V)で放送しております。

感染症発生動向情報

宮城県感染症発生動向調査
http://www.ihe.pref.miyagi.jp/cgi-bin/survey/kwrep

 

仙台市衛生研究所
http://www.city.sendai.jp/kenkou/eisei-ken/hygiene/kansen.html

 

仙台市感染症発生動向調査週報
http://www.city.sendai.jp/kenkou/eisei-ken/hygiene/pdf/syuhou.pdf

 

仙台市感染症発生動向調査月報
http://www.city.sendai.jp/kenkou/eisei-ken/hygiene/pdf/geppou.pdf

 

仙台市医師会報2008.6 No.528より

ハナミズキ

5月になると仙台でも街路樹や住宅地のハナミズキが一斉に咲きはじめる。この花と最初に出会ったのは北米の東海岸一帯であった。冬の厳しい寒さから解き放されたように春になると木全体が白やピンクの花でおおわれ、真っ青な空に映えるのは感動的であった。Dogwoodと教えてもらったのだが、花の持つ美しさとはかけ離れたネーミングで違和感を覚えた(総包と呼ばれる花弁様のものが犬の耳に似ているため名付けられたそうだ)。日本名ハナミズキ(花水木)というのを後に知ったが、春に芽をふくとき多量の水を吸い上げ、枝を折ると樹液がしたたるのが由来という。

明治の末に東京市長の尾崎行雄が日米親善のため桜の苗木をワシントンへ贈り(有名なポトマック河畔の桜)、その返礼として大正4年、この木の原木が東京市へ贈られたのが日本へ入ってきた最初とのこと。仙台でも宅地開発や街路樹の整備に伴い昭和50年代に植えられ始めたようだ。

毎年4月の第1週、ジョージア州オーガスタでゴルフのマスターズ選手権が開催されるが各ホールには花の名前が付けられており、2番がPink Dogwood、11番がWhiteDogwoodである。11番からの3ホールはグリーンが特に難しく魔女がすむと恐れられており、別名アーメンコーナーとも呼ばれる。毎年テレビ観戦を楽しみにしているが、このグリーン周辺の白いハナミズキはちょうどマスターズに合わせたように満開となり、あたかも魔女の心を和らげているようだ。

昨年、わが家は増改築のため庭の木々を切らざるを得なくなったが、植えてから26年たつこの木だけは最初に見た感激が忘れられず残しておいた。今年も数百の白い花を付けて咲き満ちている。平和が永く続きますようにと歌う、一青窈のヒット曲「ハナミズキ」をハミングしながら見上げると、微風に花びらが揺れこたえてくれているようにも思えた。

清野正英