東北労災病院泌尿器科
浪間 孝重 先生
と き:平成23年5月19日(木)午後1時30分
ところ:仙台市急患センター・
仙台市医師会館2Fホール
トイレが近くて困っていませんか?
―過活動膀胱の話―
1.はじめに
まず正常な排尿について考えてみましょう。正常な生理的排尿機能とは、下部尿路である膀胱と尿道を上手に使って貯めたり(蓄尿)、出したり(排出)することです。加えて、私たちヒトでは時・場所・状況(TPO)をわきまえた排泄、すなわち社会的排尿行為も正常であることが求められます。ですから、正常な排尿習慣とは、「トイレのことを気にしない生活」と換言できます。この正常な排尿の不具合から、さまざまな下部尿路症状が起こります。なかでも頻尿や尿もれは、「トイレのことが頭から離れない生活」を余儀なくされ、生活の質(QOL)を大きく損なう病態とされています。今日はそんな病気の代表である過活動膀胱のお話です。