仙台市医師会感染症対策委員会 https://www.sendai.miyagi.med.or.jp/ TEL022-227-1531
●○感染症対策ニュース‐エボラ最新情報 第1号 2014.11.24○●
11月20日開催の感染症対策委員会における東北大学賀来満夫教授のレクチャー概要と厚労省より示された対応指針をご報告します。
エボラウィルス出血熱の現状
西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネを中心にアウトブレイク。感染者は1万3042人、死者は4818人、致死率38.9%(11月2日現在)、ウィルス株は致死率の高いザイール株。
潜伏期 2−21日:有症者のみが感染源となる。
接触後21日経過しても症状がなければ発症しなかったと判断。
症状: 発熱(38度以上は必発)、激しい頭痛、倦怠感、下痢・嘔吐・腹痛、食欲不振、出血・皮下出血、筋肉痛。消化器症状に注意。
鑑別診断:1:マラリア 2:デング熱 3:腸チフス、黄熱、ラッサ熱、レプトスピラ
日本感染症学会動画
http://www.kansensho.or.jp/topics/1410_seminar_movie.html
エボラウィルス出血熱への対応
感染爆発コントロールの基本的戦略:コウモリなどの感染動物との暴露や摂食を避ける、患者の早期発見・早期隔離(サーベイランス・接触者追跡調査)、隔離病院での感染防御の徹底、遺体の安全な処置。
院内感染対策:厳重な接触感染対策が重要 フルPPEの着脱技術を習得する。
ウィルス量 血液>分泌物>吐物>排泄物>汗
消毒抵抗性なし 75−80%エタノール・熱湯などで容易に死滅する。
予防と治療:ワクチンをGSKとNIHが共同開発中。ファビピラミル(アビガン®)など治療薬の有効性を検証中。
医療機関の基本的対応
1)発熱症状を呈する患者には必ず渡航歴を確認する。
2)発熱症状に加えて、ギニア、リベリア、シエラレオネの過去1か月以内の滞在歴が確認できた場合はエボラ出血熱の疑似症患者として最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届出を行う。
3)上記の滞在履歴を有して発熱症状ある患者から電話問い合わせがあった場合は、最寄りの保健所へ連絡するように指導する。
参考:
厚生労働省WEBエボラ出血熱について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20141024_01.pdf
疑似症の患者さんへの情報提供のために、医療機関の入り口などに下記リンクのポスターを掲示することをお勧めします。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/ebora_pos.pdf
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/ebora_map_A4.pdf
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/ebora_plane_A4.pdf